店舗概要
事業所名 | スローフード&コーヒー橙 |
所在地 | 岐阜県下呂市馬瀬名丸28 |
事業内容 | 喫茶・地元料理の提供 |
従業員数 | 3名 |
支援内容 | 外国人旅行者の誘客・プロモーション |
下呂市馬瀬地域で喫茶店を営む、スローフード&コーヒー橙様での取り組み事例をご紹介します。オーナーの森本富美子さんにうめぽんずのサービスに関するお話を伺わせて頂きました。
サービス利用前の課題
森本さんが橙を始めてからもう20年近く経とうとしています。
このお店をオープンしたのには、持続可能な地域づくりを目指すため、旧馬瀬村時代に地元有志メンバーで構成されたフランス調査隊として、フランスのとある山村に訪れたことがきっかけとなっているそうです。
そこで森本さんは人・食・文化など、様々なローカルな生活文化に触れると同時に、自身の文化のありのままの姿にフランスの方が自信を持っていたことに深く感銘を受け、「馬瀬でもこんなことがしたい!」と、帰国してすぐにお店の内装やコンセプト決めに夢中で取り掛かったと話されていました。
そういった背景があるため、市外県外を問わず様々な「よその人」に馬瀬へ、橙へ訪れてほしいという想いがあり、それは外国人も例外ではありませんでした。
ただ、自分が海外へ行くことは何度かあったものの、海外の方が馬瀬へ来てくれることはなく、どこか心の奥底で彼らにとっての異国の生活文化を楽しんでもらいたい、という想いもあったそうです。
確かに何も知らない状態で「海外の人を呼ぶぞ!」と思い立っても難しいのが現実です。
まして馬瀬は観光地でもないため、お店をプロモーションするにしても、人を呼べる土台もありませんから、森本さんの秘めたる想いは中々実現されることはなかったわけですね。
うめぽんずを利用した理由
これに関しては本当に偶然の出会いがキッカケとなって、話が進んでいったんですよね。ある夏の日、うめぽんず運営者が東京から馬瀬へ来てくれた友人とランチをしに橙へ訪れたんです。
僕自身が「よその人」であったので、その時に森本さんが僕に興味を持ってくれ、インバウンド関係の活動について知ったことが始まりでした。
その出会いの最中、フランスへ行った時の想いや外国の方に馬瀬へ来てほしいという森本さんの想いが蘇り、「この人となら出来るかもしれない」と海外プロモーションや誘客といった依頼をお受けする運びとなりました。
自分で書いていて恥ずかしくなりますが、「若く人柄もよく好感の持てる印象で頼みやすかったことも理由だよ」と森本さんは後々話して下さいました。
サービス利用によって得られた成果
実際に行ったサービスは、うめぽんず運営者自身の外国人向けツアーに組み込むことを軸として、海外旅行会社や海外旅行雑誌会社へのプロモーション、オンライン上での口コミ蓄積といったサポートをさせて頂きました。それによって得られた成果が下記の通りになります。
・ベジタリアン向け新メニューの考案
・従業員のおもてなし精神の向上
・既存の地元顧客の来店価値の向上
・馬瀬地域全体が明るくなった
・自分のやりがいに大きくつながった
サービス開始から2年ほどお手伝いさせて頂きまして、合計350名ほどの海外からの旅行者に橙へ訪れて頂きました。ゼロからのスタートでしたので、非常に大きな意味を持っていると個人的にも思います。
また、日本人と異なりベジタリアンやヴィーガンなど様々な食事スタイルを持つ方が海外には多いため、その対応のために新メニューが次々に考案されていきました。具体例をあげると、米粉でつくったうどん、トマトソースで作ったハヤシライスなどですね。
さらにそういったメニュー対応においてなど、従業員自らが「この国の人にはこの味付けがいいかな」といった工夫をするようになり、おもてなしの精神も育まれたと話されていました。
その他、海外の方がお店や馬瀬に訪れることにより、既存地元顧客の話題に登ることも多くあり、馬瀬地域全体が明るくなったような気がしたと喜ばれていました。
最後に、20年来ずっと心に秘めていた「海外の方にも食や自然といった馬瀬のありのままの文化を知ってもらいたい」という自分の想いに改めて出会い、それが実現されたことの喜びを強く感じられておりました。
サポート担当者の感想
橙の森本さん(普段は富美子さんと呼ばせて頂いております)にはいつも個人的にも大変お世話になっており、僕自身もここまでの成果を挙げられたことを誇りに思っています。
自分はあくまでサポートする立場ではありましたが、喜ばれる森本さんやその他地域のお客様を見て、かなり前のめりになっていた時もあったな、と今では思います。
正直自分でも「本当に外国人なんて来るのかな」と最初は半信半疑でしたが、実際に訪れた方の感想はいつも「素晴らしい料理だ」「この味は忘れられない」といったような賞賛のコメントばかりでした。
そのため、自分自身もやりがいを強く感じることができ、橙でのサポートができて本当に良かったと思っています。
森本さんは最後に、「馬瀬は本当にいいところだ」と強く仰っていました。
馬瀬のありのままの自然や食にプライドを持ち、それを喫茶・飲食店という形で表現し、さらに海外からのお客様のおもてなしにも挑戦する、本当に素晴らしい方であり、地域になくてはならない存在だと馬瀬の一住民としても誇りに思います。
今後もこのサービスの中で、また個人的にもお付き合いさせて頂くことになりますが、この事例紹介記事を書くことにより、これまでのご協力やご厚意への感謝にもなれば幸いです。